月別アーカイブ: 9月 2005

ラジオを聞きながら仕事を深夜遅くまでしていると、ついつい聞き入ってしまう番組もあったりして、J-WAVE「リリー・フランキーのTR2」はなぜだか、作業するには打ってつけの番組ということになってしまった。

リリー・フランキーの妙に落ち着いたトーン、めめたんこと安めぐみのヴォイス、ゾノネムの笑い声、そのどれもが邪魔にならないくらいの適度のバランスで、作業に没頭しつつ、90%を占める下ネタの内容に聞き込むことができる。

そんなリリー・フランキーが青山ブックセンターでサイン会をやるという情報を偶然ウェブで知って、ワザワザ出向いて遠巻きに観ていたのだけど、その時は結局中島らも「心が雨降りする夜には」を買って帰ってしまったのだけど、ずっと気になっていたので、レンダリングが終わらない土曜日の昼間に購入して、ちょくちょく読んでいた。

この本は泣く。という評判は帯の田辺あゆみのコメントでわかりきっていたし、途中まで読んだ時点でこれは泣く。というムードを感じとっていた。仕事の合間に読んでいたのだけど、だんだん夢中に読み進めてしまい。月曜日の午前5時、読了を目前に家で大泣きしてしまった。最後の一行のところで丁度彼女が目を覚まして、どうしたの?と声をかけてくるも、まだ泣き止むことができない。思い出しては何度も泪がこみ上げてきた。多分、少し自分とダブるところがあるからも知れない。それは「東京」と「大学」いうキィ・ワードについて、やる気のなかったネガティヴな自分という部分で。

この本を読了して、なぜかもう長く話をしていない弟に送りたくなった。だけど、こんなことを思うのはきっと長男だからなのか、と思ってしまうけれど。

いつも聞いているラジオでの彼はまるで違う。ラジオは今週で終わってしまう。なんだか寂しいけれど、仕方のないことだと、ドリフ大爆笑の歌詞をなぜか思い出してしまった。あそこのフレーズは子供ながらに寂しい気持ちになったのをボクはまた今、思い出した。

その後の日曜日

彼女に連れられ東京都現代美術館にイサム・ノグチ展を観に行く。ちょうどsudo氏もヒマだということで、同行。

ひととおり回ってみたあとのボクの感想は物質と景色にこだわった芸術家という印象で、それはエナジー・ヴォイドを実際にみたからそういう科白が出てくるのかもしれない。

イサム・ノグチは広島の原爆慰霊碑を作ったヒト、という前知識しかなかったけれど、あの慰霊碑にしても、今回の展示物にしてもマテリアルの中から彫刻物を作り出してゆくという感じが伝わってくる。彼の作り出してきたオブジェは何かを語りかけてくるようだ。そのメッセージはほとんどボクにはわからず、注釈を見るに留まったけれど、彼の残した言葉には

創作物は未完成でいい。あとは周りの気候、あるいは子供たちが作りあげてゆくものだから、というような正確な引用は今できないけれど、そんなメッセージがあった。マテリアルとともにそれはランドスケープデザイナーでもある彼の思想に続いて行きそうな気がする。

ボクはまだ彼のほんの一端しか触れていないので、勘違いしている部分も多々あるかとは思うけれど、それはボクの解釈であって、何も参考文献を読みあさってまでもタイプする文章でもないし、時間も無いので、こういった感想文ができあがった。

その後、葛西橋通り沿いのレッド・ロブスターで3人で食事して、ボクは仕事に舞い戻る。
藝術が素晴らしいのはどんなふうにも解釈できるからだ。と、上司が言った。

この文字をタイピングしている現在から遡って丁度1週間前の土曜日
先々週の土曜日

彼女の友達がベリーダンスをやっていて、それを観に行こうということで、向かった先は下高井戸。
下高井戸という地名は以前から耳にしていたし、映画ファンなら下高井戸シネマという文字をどこかで必ず目にしているはずだし、高速情報でよく下高井戸インターという響きを耳にしているはず。

下高井戸の駅はそれほど普通の整備されている駅で、何とも思わなかったけれど、北口をおりたところにある市場に少しビックリ。ここにもあった、東京のカオス。という具合で、今度ゆっくり訪れてみたいという気持ちになる。その市場を抜け、甲州街道に出て、徒歩7、8分のところにあるそこは、以前倉庫だった場所を港区にありそうなクラブに変えた感じのもので、この感じを久しぶりに下高井戸で味わうとは思ってもいなかった。

中ではプロジェクターでおそらくトルコのホームヴィデオが流されている中、クラブ風な音楽がバックで流れているという感じで、飲み物はもちろん、フードサーヴィスも一律500円で揃っており、なかなか楽しそうなところだった。DJブースは見当たらなく、今回はベリーダンスを演るステージがスペースの大部分を占めていた。奥の方にはちょっと高そうソファがいくつかあって、本棚がその奥にあって、何冊か本も読めるという感じで、こういう類いのイヴェントが苦手な人もそこで寂しそうに本でも読んでいればなんとかなりそうな配慮なのか、兎に角スペースが広いのですぐ上の階は屋上になっていて、ビヤホールもやっている。そこから眺望できる新宿副都心は新しい東京の風景としてボクの中に刻み込まれた。

ひとしきりそこで過ごした後、新宿のゴールデン街「クリシュナ」に行くと、オウナーの山本(旧姓)さんに「あれ?さっき下高井戸にいたでしょ!」と会うなりいきなり声を掛けられた。なんと山本さんもそこにいたという。ベリーダンスのその会場は確かに女性が多くて、人気があるらしく、彼女のblogにもベリーダンスをやっている云々が書かれていて、もしかしたらいたりするんだろうな。と思ったけど、ボクは全く気づかず、山本さん曰く気づいていたけど、別人だったらいやだから声をかけなかったんだと。

それにしても年に数回しか行かないのに、なぜボクの事を覚えていてくれるのだろうか。ボクが連れてゆく他の人は全く覚えていないとか言うけれど、それはリップサーヴィスとしか思えない。

しばらく家に戻っていなかったせいか、投票所のご案内というものが届いていなかったことに当日気づく。オレの選挙権はどこに行ってしまったのだろうか。それとも選挙権を誰かが奪い去ってしまったのだろうか?結局投票には行けなかった。

とにかく、今回の選挙は特に開票速報番組など見ずにインターネットの記事での印象を伺うと、やはりというか、予想通り自民党が圧勝してしまった。それは多分、郵政民営化という明確なコンセプトがあったからだろう。それは多分、マニュフェストではダメだったのだろうと思う。高齢化社会における日本で 60代や70代にマニュフェストという言葉は響かない。まぁ、逆に20代に選挙公約という言葉も響かないと思うが、どっちが馴染みやすいかと考えれば、それは目を見るより明らかだ。マニュフェストという言葉に政策戦略が埋没してしまって、何を押し進めたいのかがわからなくなってしまうのだと思う。

時を同じくして、ソニーはなぜ、音楽配信事業で苦戦しているかということを考えた。それはソニー自体が複雑化しすぎているからだ。そして、ソニーが何を今、売りたいのかが見えにくくなっている。とボクは思う。ホームページを見るとそれは明快で、例えばソニーをGoogleで検索した時に一位で登場するのはsony.co.jpでコーポレイトサイトが現れる。そこからウォークマンのページへたどり着くには何ステップ必要で、ユーザーがどれくらい頭を悩ませればいいのか。一歩譲って、sony.jpにたどり着いたとしよう。そこではVAIOのFLASHバナーがあってウォークマンはかすんでしまう。iPodで成功したApple Computerと比べればわかる。本当にシンプルで、アップルは何を今、売りたいのかが、明確なだけなのだ。

同じ分類としてボクが嫌うのはテレビ局のページで、なぜあそこまでわかりづらくなってしまっているのだろうと思う。情報を乗せ過ぎなのだ。おそらく担当者の好みと、横並びのデザイン嗜好なのだろうと思うけれど、あれでは何を伝えたいのかはっきりわからない。

結局今、自分がどうしたいのか、何を売りたいのか、ということを明確にしなければ、マスの世界では伝わりづらいということなのではないだろうか。電化製品でボタンがたくさんありすぎると操作に困るようにウェブサイトも同じ、選挙戦も同じなのかもしれない。

鈴木宗男が当選してしまう現実をボクはどう受け止めればよいのか?
おそらく、既得権益層が支持層にたくさんいる現実なのだろう。ま、わからないけど。

仕事がたくさんある。

それについては喜ばしいことだけれど、なんだか不安でしょうがない。本当に終わるのだろうか。ということより、景色を眺めていないことに。

週末で休みだと言うのに会社に寝泊まりしてばかりいる。何日続いているだろう。風呂に入りたいから近くの銭湯にでも行こう。ずっと会社にいるとオン/オフがつけられずに結局ダラダラしてしまいがちだ。一人というのも全然気が引き締まらない。

昼過ぎに東銀座の本屋で本を2冊買う。村上龍の『ハバナ・モード』とリリィ・フランキーの『東京タワー』。村上龍はすぐに読了してしまった。昨日からずっとG5はShadeで作ったデータをレンダリングしている。アニメイションで見せるために、何コマもレンダリングを細かくやらなければならない。そんな時は読書をしている。それでも他の仕事は残っているのだが。レンダリングの時間が読めない。642コマをレンダリングするのに16時間もかかっているというのに、あと980コマくらいレンダリングしなければならないというのは恐ろしい。本当に月曜日に間に合うのだろうか?

週末の築地は閑散としていて、この時間は本当に人気が無い。iTunesMusicStoreでヒマつぶしに曲を買ってしまう。全然集中できない。リリィ・フランキーが面白いので、このまま読み続けることにしよう。